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吉野作造の収書(2023/9/9)
吉野作造(1878-1933)といえば「大正デモクラシー」、というくらい、壮年期には本業の大学教授の仕事のほか、いわゆる「民本主義」に関する数多くの執筆、講演をこなした。 40歳(1918年)のときの年間講演回数が38件41回あり、総収入13,989円5銭。帝大教授としての収入3,768円50銭を大きく上回ったという。(紀伊國屋書店2009年、28分ごろ) 生涯に6人の娘を育てた生活費、「明治文化研究会」をはじめとする交際費のほか、中国朝鮮からの苦学生への援助もしていたが、それでも有り余る金を古書収集につぎこんだ。 昭和ヒトケタの円本が全盛のころ、古本展で百円使ったことがあるという。文学書が1点数十銭、雑誌のバックナンバーが1冊数銭という時代の話である。 明治時代の雑誌や新聞を集めては、当時の広告から未収資料をチェック。 買っては片っ端から目を通し、より分けて蔵書票を貼って保存。 つまらないと思うものは処分した。 そうして保存した、和洋あわせて9千冊近い旧蔵書は、昭和9(1934)年東京帝国大学法学部に買い上げられた。 明治10年代から20年代に
乙原李成/Otohara Risei
2023年9月8日読了時間: 2分
関東大震災で失われたもの(2023/9/2)
大正12(1923)年9月1日正午少し前、相模湾を震源域とした推定マグニチュード7.9の地震が発生。 続く余震と火災により、震源に近い神奈川県各地と旧東京市内に甚大な被害を及ぼした。 本所被服廠跡での死者約3万8千人、横浜港や外国人居留地の焼失、鎌倉の津波、根府川駅での土砂崩れは、いまも語り継がれている。 東京帝国大学は、周辺地域での火災がなかったにもかかわらず、化学薬品の落下により失火。各学部、図書館を全焼させた。 赤坂溜池からの延焼により、大倉喜八郎一代の蒐集品をおさめた大倉集古館が焼失した。 神田区では震災直後、宮城北側の複数の町から出火。 区役所、警察署、停車場、神社仏閣、教会、小学校から大学、専門学校、図書館、商店、民家を焼き尽くした。 中央官衙の記録類が多く失われたばかりでなく、業務の性質上、何がなくなったのかすら明らかにされなかった。 日比谷公園の日比谷図書館は閲覧室など破損したが、その年のうちに閲覧を再開した。 上野公園の帝国図書館は一部の蔵書が破損、焼失し、約1か月休館。 横浜地方裁判所では職員や検事、傍聴人らがレンガや木材の下
乙原李成/Otohara Risei
2023年9月2日読了時間: 2分
明治文化研究会(2023/8/26)
大正13(1924)年11月発足。 東京市京橋区尾張町、福永書店に事務局を置いた。 「明治初期以来の社会萬般の事相を研究し、之れを我が國民史の資料として發表すること。」(『新旧時代』1925年2月号)を目的とした。 発足時は以下の会員がいた。(生年順) 石井研堂(1865-1943)福島県出身。雑誌『小国民』編集者。著書に『明治事物起源』など。 宮武外骨(1867-1955)香川県出身。著述業。東京帝国大学法学部附属明治雑誌新聞文庫事務主任。 吉野作造(1878-1933)宮城県出身。政治学者として、「民本主義」を唱えた。大正デモクラシーの中心人物のひとり。 石川巌(1878-1947)山形県出身。東京大学史料編纂所勤務ののち、雑誌『書物往来』を創刊。 尾佐竹猛(1880-1946)石川県出身。元大審院判事。法学博士。晩年は議会史編纂事業に参加。 藤井甚太郎(1883-1958)福岡県出身。維新史料編纂に長くたずさわった。開国百年記念文化事業会常務理事。 小野秀雄(1885-1977)滋賀県出身。東京大学新聞研究所所長、日本新聞学会会長。...
乙原李成/Otohara Risei
2023年8月25日読了時間: 2分
明治大正の出版文化(2023/8/19)
明治文化研究会という好事家の集まりがかつてあった。大学教授から出版業、古書に一家言もつ人々が江戸明治期の文献を買い集めては復刻し、考証やエッセイを書いては自ら雑誌を創刊、発表の場をつくった。 吉野作造(1878-1933)や宮武外骨(1867-1955)の名はいまでも知られ...
乙原李成/Otohara Risei
2023年8月18日読了時間: 2分
東亜経済調査局刊行書目録:2023年9月現在(2023/9/30)
紙で目録をつくるとコストがかかるので、ファイルで公開。 将来的には、所蔵先も含めた総合目録にしたい。
乙原李成/Otohara Risei
2023年8月11日読了時間: 1分
ベーレンドとハック(2023/8/5)
ウィードフェルドの後任として東亜経済調査局を指導したのが、マルティン・ベーレンド(Martin Eduard Theodor Behrend, 1865-1926)。 そして同時期に助手として、フリードリヒ・ハック(Friedrich Hack,...
乙原李成/Otohara Risei
2023年8月4日読了時間: 2分
石川鉄雄の煩悶(2023/7/29)
石川鉄雄(1886-1934)は東京府出身。明治43(1910)年東京帝国大学法科大学法律学科卒業。 大正元(1912)年から第四高等学校(金沢市)教授を約5年務めた。 農商務省臨時産業調査局に一時席をおいたあと、大正7(1918)年南満洲鉄道入社。...
乙原李成/Otohara Risei
2023年7月28日読了時間: 2分
弁理士岡本芳二郎(2023/7/22)
岡本芳二郎(おかもと よしじろう 1868-1942)は美作国津山出身。 津山には古くから国府が置かれ、明治4(1871)年には津山県の県庁所在地にもなった。 明治22(1889)年からドイツに留学し、4年後には法務博士(Juris Doctor)の専門資格を取得。...
乙原李成/Otohara Risei
2023年7月21日読了時間: 2分


ウィードフェルドの赤い糸(2023/7/15)
ウィードフェルド(Otto Wiedfeldt,1871-1926)はドイツ北東部、ザクセン=アンハルト州チュリッツ(Thüritz)に生まれた。 カール・チースと同じ、ザルツベーデルのギムナジウムに学び、ベルリン大学で共にシュモラー(Gustav von...
乙原李成/Otohara Risei
2023年7月15日読了時間: 2分


利用者松岡均平(2023/7/8)
松岡均平(1876-1960)は、元徳島藩士で司法官僚、教育者だった松岡康毅の長男として、東京で生まれた。 明治33(1900)年東京帝国大学法科大学政治学科を首席で卒業。 明治36(1903)年東京帝国大学法科大学助教授を命じられ、その翌年から明治42(1909)年までヨ...
乙原李成/Otohara Risei
2023年7月8日読了時間: 3分
グリュンフェルドとその周辺(2023/7/1)
エルンスト・グリュンフェルド(Ernst Grünfeld 1883-1938)はチェコ、モラヴィア地方のブルノ„Brünn“生まれ。 同姓同名のチェスの棋士(1893–1962)は別人。 兵役に就いたあと、ウィーンで農学、ハレ大学で国家学を学んだ。...
乙原李成/Otohara Risei
2023年6月30日読了時間: 2分
東亜経済調査局の資料組織法(2023/6/24)
岡松参太郎文書に残る書店の請求書から、満鉄名義での個人輸入で洋書を取り寄せていたことはすでに書いた。 さらにドイツ人顧問がいたことで、言語の壁を越えて、洋書を取り寄せやすかったという。 雑誌、新聞、官庁刊行物、会社定款、営業報告書を積極的に収集したが、寄贈に頼ることが多かっ...
乙原李成/Otohara Risei
2023年6月23日読了時間: 2分
日柳彦九郎と山口高等商業学校(2023/6/17)
日柳彦九郎(くさなぎ ひこくろう 1883生)は香川県生まれ。 親戚に幕末の志士、日柳燕石がいる。 明治40(1907)年12月京都帝国大学法科大学を卒業。 南満洲鉄道株式会社東亜経済調査局設立の早い時期から所属しており、当時の雑誌記事には、松岡均平、チース、グリュンフェル...
乙原李成/Otohara Risei
2023年6月16日読了時間: 2分
日本人バウムフェルド(2023/6/10)
ヘルマン・バウムフェルド(Hermann Baumfeld 1885-1970?) は、オーストリア=ハンガリー帝国のウィーンに生まれたユダヤ教徒。 パッツェル商業専門学校„Handelsschule Patzelt“卒業。...
乙原李成/Otohara Risei
2023年6月9日読了時間: 2分


市川代治の活躍(2023/6/3)
市川代治(Itchikawa Daiji,1872-1922)は山形県蔵増村(現在の天童市内)の農家の二男に生まれ、明治32(1899)年帝国大学文科大学哲学科を卒業。 明治33(1900)年から明治41(1908)年までベルリン大学に留学し、哲学と国家経済学を学んだ。...
乙原李成/Otohara Risei
2023年6月2日読了時間: 2分


チースとドイツ東洋文化研究協会(2023/5/27)
カール・チース(Karl Thiess,1870-1941)はドイツ東部の街、レーベユン„Löbejün“に生まれ、ベルリン大学とハイデルベルク大学で国家学を学んだ。 ベルリン市統計課で働きながら、1894年博士号取得。1900年からハンブルク・アメリカ郵船会社で調査業務に...
乙原李成/Otohara Risei
2023年5月27日読了時間: 2分


岡松参太郎と„Rechnung“(2023/5/20)
岡松参太郎(1871-1921)は幕末・明治初期の漢学者、岡松甕谷の嫡子として豊後国鶴崎(いまの大分市内、異説あり)に生まれた。 父親ゆずりで語学に強く、明治27(1894)年7月帝国大学法科大学法律学科を首席で卒業した後、欧州各国に留学。明治34(1901)年法学博士。...
乙原李成/Otohara Risei
2023年5月19日読了時間: 3分
「満鉄調査部」以前の満鉄調査部(2023/5/13)
大宅壮一に師事した草柳大蔵『実録満鉄調査部』(朝日新聞社)という労作はよく読まれたようで、ヤフオクや神保町の均一台に単行本や文庫を見かける。 大宅壮一文庫所蔵の雑誌記事や取材に基づいた執筆活動は、著者いわく「櫛風沐雨の旅」だったという。...
乙原李成/Otohara Risei
2023年5月12日読了時間: 2分
中西寅雄旧蔵欧文刊行書目録稿:国立国会図書館所蔵
国立国会図書館オンラインから検索。 https://ndlonline.ndl.go.jp/ 紙で目録をつくるとコストがかかるので、ファイルで公開。 将来的にはデータベースにしたい。
乙原李成/Otohara Risei
2023年5月5日読了時間: 1分
中西寅雄の蔵書構築(2023/4/29)
中西寅雄(1896-1975)の蔵書は、大正12(1923)年東京帝国大学経済学部助教授任命後、その年の10月から大正15(1926)年7月までドイツに留学したときに集めたものと、日本国内で研究のため買い求め、知り合った研究者間で著作を贈り、贈られた結果集まったものに分けら...
乙原李成/Otohara Risei
2023年4月23日読了時間: 2分
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