大正12(1923)年9月1日正午少し前、相模湾を震源域とした推定マグニチュード7.9の地震が発生。
続く余震と火災により、震源に近い神奈川県各地と旧東京市内に甚大な被害を及ぼした。
本所被服廠跡での死者約3万8千人、横浜港や外国人居留地の焼失、鎌倉の津波、根府川駅での土砂崩れは、いまも語り継がれている。
東京帝国大学は、周辺地域での火災がなかったにもかかわらず、化学薬品の落下により失火。各学部、図書館を全焼させた。
赤坂溜池からの延焼により、大倉喜八郎一代の蒐集品をおさめた大倉集古館が焼失した。
神田区では震災直後、宮城北側の複数の町から出火。
区役所、警察署、停車場、神社仏閣、教会、小学校から大学、専門学校、図書館、商店、民家を焼き尽くした。
中央官衙の記録類が多く失われたばかりでなく、業務の性質上、何がなくなったのかすら明らかにされなかった。
日比谷公園の日比谷図書館は閲覧室など破損したが、その年のうちに閲覧を再開した。
上野公園の帝国図書館は一部の蔵書が破損、焼失し、約1か月休館。
横浜地方裁判所では職員や検事、傍聴人らがレンガや木材の下敷きになり、助ける間もなく火に飲み込まれたという。
参考文献
内閣府-防災情報のページ-報告書(1923 関東大震災)(令和5年月日閲覧)
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1923_kanto_daishinsai/index.html
横浜地方気象台-関東地震から100年(令和5年月日閲覧)
https://www.data.jma.go.jp/yokohama/since1923/100th_event/higai.html
東京大学附属図書館ホームページ-図書館再建(震災直後から昭和初期)(令和5年月日閲覧)
https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/general/about/history/history_0/history_2
千代田区立図書館沿革(令和5年月日閲覧)
https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/about/history/
国立国会図書館-第125回常設展示「帝国図書館の誕生」(令和5年月日閲覧)
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_998373_po_125.pdf?contentNo=1
三井住友トラスト不動産-このまちアーカイブス-神奈川県横浜-8.「関東大震災」と復興(令和5年月日閲覧)
https://smtrc.jp/town-archives/city/yokohama/p08.html
東京帝国大学罹災者情報局『帝都大震火災系統地図』(小野県人1923年)
『大正大震火災誌』(改造社1924年)
山角徳太郎『神田復興史並焼残記』(山角徳太郎1925年)
『大正震災志写真帖』(内務省社会局1926年)
神奈川県警察部『大正大震火災誌 1』(神奈川県警察部1926年)
『鎌倉震災誌』(鎌倉町1930年)
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